医療レーザー脱毛とは、「体毛を作る組織」をレーザーで破壊する施術です。
「体毛を作る組織ってなに?」
「そもそも体毛ってどうやって作られるの?」
「医療レーザー脱毛は、どういう仕組みで『体毛を作る組織』を破壊するの?肌への悪影響はないの?」
沖縄マリアクリニックが、これらのよくある質問をもとに「医療レーザー脱毛の仕組み」について解説いたします。
体毛が生える仕組みには、「バルジ領域」「毛乳頭」「毛母細胞」という3つの要素が深く関係しています。
まずは、それぞれの要素がどのような役割を担っているかを見ていきましょう。
こちらでは「発毛に関わる3つの要素」を、体毛周辺の構造をお見せしながらご説明いたします。
毛の中で、表面からは見えない部分、つまり肌に埋まっている部分が「毛根」です。
毛根の周辺には、先ほど挙げた「バルジ領域」「毛乳頭」「毛母細胞」があります。
この3つは発毛の原因となる「発毛組織」で、医療レーザー脱毛の効果を引き出す重要な要素です。
バルジ領域とは、体毛の素にあたる「毛包幹細胞(発毛因子)」を生み出す領域です。
毛包幹細胞は、バルジ領域から毛穴の奥にある「毛乳頭」に移動して、体毛を作る準備を始めます。
つまり、バルジ領域は「発毛の指令を出す役割」を担っているのです。
毛乳頭は、体毛を作る「毛母細胞」を育てる部位です。
バルジ領域で生み出された「毛包幹細胞」は、毛乳頭に移動すると栄養を蓄えます。
そして、栄養を蓄えた毛包幹細胞は「毛母細胞」となり、細胞分裂を繰り返して体毛を作っていきます。
毛乳頭は、体毛の元となる細胞に栄養を与え、育てる役割があります。
毛母細胞は、体毛を作る細胞です。
毛乳頭で栄養を蓄えながら細胞分裂を繰り返し、分化したものが体毛となります。
「毛包幹細胞が毛乳頭へたどり着き、栄養を蓄えて毛母細胞になる」というのがポイントです。
「バルジ領域」「毛乳頭」「毛母細胞」について簡単におさらいしましょう。
体毛が生える仕組みのスタートは、「バルジ領域」。バルジ領域は体毛の素を生成し「毛乳頭」へ送ります。
毛乳頭へたどり着いた体毛の素は、栄養を蓄えて「毛母細胞」となり、体毛を作っていきます。
ここまでの流れをふまえると、「バルジ領域」「毛乳頭」「毛母細胞」がそれぞれ正常に働くと体毛が誕生することがわかります。
これらの発毛組織をレーザーで破壊して止めるのが、「医療レーザー脱毛」です。
医療レーザー脱毛は、先述した「バルジ領域」「毛乳頭」「毛母細胞」を黒い色に反応するレーザーで破壊する施術です。
レーザーを照射する前に、肌の表面に出ている(伸びている)毛を剃って、肌の内部にのみ黒い毛(毛根)が残るようにします。
そのような状態の肌にレーザーを照射すると、レーザーが肌内部の黒い毛に反応して熱を生み出し、ターゲットとする発毛組織を破壊します。
レーザーは黒色にのみ反応するため、毛を剃った表皮や周辺の細胞を傷つけずに済みます。
また、一度破壊された発毛組織は再生しないため、同じ毛穴からは再び発毛しません。
これは全ての医療レーザー脱毛機に共通する仕組みです。
ただし、脱毛機の種類によって「ターゲットとする発毛組織」や「破壊の仕組み」が異なります。
今回は、医療レーザー脱毛機を大きく2つに分けてご説明いたします。
バルジ領域・毛母細胞・毛乳頭を破壊する脱毛機は、レーザーのエネルギーが毛穴の奥まで届く仕様になっており、「バルジ領域」「毛母細胞」「毛乳頭」の3つ全てを破壊します。
このタイプの脱毛機は、体毛ができるまでの過程で役割を果たすバルジ領域・毛乳頭だけでなく、毛母細胞も破壊するというのがポイントです。
毛母細胞は、皮膚と繋がっている体毛の根本にあります。
レーザーで毛母細胞を破壊すると、既に生えている体毛の根元にダメ―ジが与えられ、体毛が皮膚から切り離されます。
このようにして、既に生えている体毛はレーザー照射から数日~1週間でぽろぽろと抜け落ちます。
これまでの理論では、毛乳頭や毛母細胞が破壊されないと、永久脱毛は不可能だとされていました。
しかし、近年発表された研究で、発毛の指令を出すバルジ領域を破壊するだけでも脱毛効果を得られることがわかりました。
ただし、バルジ領域の破壊で得られる効果は、あくまで新しい体毛の生産ストップ。
つまり、既に毛乳頭で細胞分裂を始めている毛母細胞の破壊はできないため、今ある毛に関しては、自然に抜け落ちるのを待つしかありません。
バルジ領域のみを破壊する脱毛機は、新しい発毛を阻止するという永久脱毛方法です。
バルジ領域・毛母細胞・毛乳頭を破壊する脱毛機の方が、目に見える効果の表れは早いですが、どちらも「毛穴から新しい発毛を阻止する」という最終的な結果は変わりません。
ただし、相性の良い(=より脱毛効果を発揮しやすい)肌質・毛質は、脱毛機の種類によって異なります。
沖縄マリアクリニックで使用する脱毛機の中で、「メディオスター NeXT PRO」という機器はこのバルジ領域だけを破壊する脱毛機にあたり、「ジェントルレーズ」「ジェントルレーズプロ」という機器は、毛乳頭や毛母細胞まで破壊できる脱毛機に該当します。
それぞれの機器の特徴については、こちらのページで詳しく解説しています。
ここまで「医療レーザー脱毛は新しい発毛を阻止する」という話をしてきました。
しかし、矛盾のように感じるかもしれませんが、1回のレーザー照射では永久脱毛効果は得られません。
この理由には、毛が生え変わるサイクルである「毛周期」が深く関係しています。
毛周期とは、体毛が自然と生え変わるサイクルのことです。
「成長期」「退行期」「休止期」という3つの期間を循環します。
髪の毛を例にして流れを追ってみましょう。
・成長期:放っておいても毛が長く伸びる
・退行期:無理やり引っ張らなくても毛が自然と抜ける
・休止期:毛穴に毛がない状態
成長期はご想像いただけるでしょうから、退行期・休止期の補足説明をいたします。
髪の毛は無理やり引っ張らなくても自然と抜けますよね。
「気づいたら部屋に髪の毛が落ちている」という経験をなさった方も多いでしょう。
これは体毛が退行期となり寿命を迎え、毛穴から自然と抜け落ちた現象です。
この現象は、髪の毛に限らずムダ毛などの全ての毛に生じます。
そして、休止期は髪の毛がない毛穴の状態を指します。
ぱっと見ではよくわかりませんが、髪の毛が生えていない毛穴もあるのです。
医療レーザー脱毛は、「成長期」の毛でなければ十分な効果を発揮できません。
なぜならば、先述の通りレーザーは黒色に反応する仕組みになっているからです。
退行期は、毛穴に体毛があっても発毛組織と繋がっていない場合が多いため、発毛組織に十分な熱を伝えることができません。
そして、休止期は毛穴に黒色(体毛)がない状態なので、レーザーが効果を上手く発揮できません。
このような事情から、発毛組織をレーザーで破壊するのは「成長期」が最適だと言えます。
ここでもう1つ大切なポイントがあります。
それは、毛周期は身体の部位によって循環スピードが異なるという点です。
また、同じ部位の中でも「成長期」「退行期」「休止期」の毛穴が混在しています。
つまり、ワキ脱毛をするとしても、ワキの全ての毛穴が「成長期」ではないため、1回だけではワキの永久脱毛を実現できないということです。
成長期の毛は全体の約20%であることから、永久脱毛効果を実感するには複数回のレーザー照射が必要となります。
毛周期を考慮すると「2~3か月に1度、5回程度のレーザー照射」が目安です。
医療レーザー脱毛の仕組みについて、ご理解いただけましたでしょうか。
最後に2つの大切なポイントを振り返っておきましょう。
すべての医療レーザー脱毛機は、体毛の黒い色に反応して「バルジ領域」「毛乳頭」「毛母細胞」などの発毛組織を破壊する。
レーザーが十分な効果を発揮できるのは、「成長期」の体毛にある発毛組織のみ。
高い永久脱毛効果を得るには、毛周期に合わせてレーザーの照射を行う必要がある。
このような医療レーザー脱毛の仕組みが理解できると、
「『半年以内にで脱毛完了できる』って宣伝を見かけたけど、実際の効果はどうなんだろう……」
「『あのクリニックで脱毛してから1週間以上経つけど全然毛が抜けない!』っていう評判を見たけど、ひょっとしてバルジ領域だけをターゲットにするタイプの脱毛機だったのかも?」
というように、脱毛を受けるクリニックを選ぶ上で参考にもなりますよね。
医療レーザー脱毛の仕組みについて、インターネット上では誤った情報も多く見かけます。
皆さまには、正しい知識を身に着けた上で後悔の無い脱毛を受けていただきたい、というのが当院の願いです。
沖縄マリアクリニックでは、無料でカウンセリングを実施しております。
医療レーザー脱毛の仕組みはもちろん、他にも何かご質問・ご不明点等あれば、お気軽にお尋ねください。